●肥満には2つのタイプがある
ひと口に肥満といっても、脂肪のつく場所はさまざまで、人によってタイプが異なります。大きく分けると「皮下脂肪型肥満(洋なし型)」と「内臓脂肪型肥満(りんご型)」の2タイプがあります。
「皮下脂肪型肥満」は、どちらかというと女性に多く、全体的、あるいは下腹部や下半身がふっくらしています。「内臓脂肪型肥満」は、どちらかというと男性に多く、お腹まわりだけが出ている、いわゆる「ビール腹」「太鼓腹」タイプです。
このうち、「内臓脂肪型肥満」は脂質異常症をまねきやすいと言われています。脂質異常症とは、血液中の脂質の量が必要以上に増えた状態のこと。つまり、血液がドロドロで動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞など、命にかかわる重大な病気を引き起こす恐れがあるのです。
●生活を見直し、内臓脂肪を落とそう
脂質異常症と関連が深く、危険な「内臓脂肪型肥満」には、やせているけどたくさん食べる人、手足の細さに対してウエストが太い人、ダイエットとリバウンドを繰り返している人、運動をあまりしない人がなりやすいと考えられます。見かけは細くても、実は内臓脂肪が多い……というパターンがあるので注意が必要です。
ただ、内臓脂肪は皮下脂肪と比べると落としやすい脂肪です。内臓脂肪は1つ1つが肥大していて肥満細胞の数は少ないのが特徴。分裂して増えた脂肪細胞をなくすのには時間がかかりますが、肥大した脂肪細胞自体を小さくすることは比較的簡単なのです。食生活を見直したり、毎日運動を取り入れたりすれば、徐々に内臓脂肪を減らすことが可能です。お腹まわりが気になったら、今すぐ始めましょう!